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近畿東海矯正歯科学会 2009

さる6月14日、名古屋国際会議場で近畿東海矯正歯科学会の学術大会が催されました。私たちも学会参加のため名古屋に赴きました。

c0193833_11443446.jpg名古屋市熱田の会議場に到着すると、出迎えてくれたのは写真の巨大な像。「幻のスフォルツァ騎馬像」と書かれています。

なんでも、レオナルド・ダ・ビンチが当時のミラノ領主から史上最大のブロンズの騎馬像制作を依頼されたものの、粘土像まで作成されたところで制作が中断され「幻」となっていたものを、日本の技術で復活・完成させたものなのだとか。

今回の制作時にコンピューターで計算したところ(有限要素法でしょうか?)、ブロンズでは強度的に耐えられないことが判明したためFRPで制作を行ったそうですから、ダビンチの時代に鋳造まで行ったとしても完成させることは出来なかったのかも知れませんね。


さて本題ですが、今回は特別講演が二題行われ、松本歯科大学の山田一尋教授が「矯正臨床における顎関節症に対する対応」という演題で、長野県の水野均先生が「開咬の形態と機能と機能回復‐その治療目標」という演題で講演されました。

顎関節症や開咬は、さまざまな要因によってもたらされる機能障害ですので、矯正治療を行う上では非常にやっかいなものです。
矯正治療では最初の検査時に診断を行い、全体の治療方針を決定します。ところがある種の自己免疫が原因として疑われている下顎頭の骨吸収は、時間の経過とともに顎関節症や顎変形症・開咬を生じさせ、かみ合わせの状態や下あごの位置が初診時と比べてどんどん変化してしまいます。
また開咬の発現には口呼吸、舌癖、アデノイド、慢性鼻炎など耳鼻咽喉科領域の疾患も関わっています。

治療開始前はこれらの要因について問題がないかどうかを確認し、必要に応じて他科(耳鼻科・外科など)へ依頼を行い連携することが非常に大切になります。外的要因に対しては矯正装置による歯のコントロールだけでは対処することができないため、状態によっては矯正治療を行うことができない場合があります。
なかには矯正治療開始前の時点で完全に予見することが困難なものもあるため、矯正治療中も定期的に検査を行うことが重要です。


矯正歯科ではたくさんの検査を行いますが、いずれも欠かせない大切なものですので、どうかご理解くださいますようお願いいたします。

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by yamawaki2527 | 2009-06-15 12:02 | ちょっとアカデミックな話  

開咬とは


今回は噛み合わせの深さに問題のある不正咬合「開咬」をお話します。

c0193833_1463351.jpg正しいかみ合わせでは、奥歯でしっかり噛んだときに前歯も含めてほとんどの歯が上下の相手の歯と接触します。

このとき前から見ると上下の前歯はおよそ2~3mm程度重なります。


c0193833_147430.jpg開咬では、奥歯でしっかり噛んでも、広い範囲にわたって上下の相手の歯と接触しない場所があります。
とくに前歯が上下で接触しないものを「前歯部開咬」と呼びます。奥歯が接触しないものを「臼歯部開咬」と呼びますが、開咬の多くは前歯部開咬です。

開咬の原因として「弄舌癖(ろうぜつへき)」が挙げられます。
通常ものを飲み込むときには、舌の先は上の前歯の内側の歯肉周辺か、あるいはもっと上(奥)あたりに触れます。ところが弄舌癖のある方では、飲み込むときに舌の先が上下の前歯の裏側を押したり、上下の前歯の間に挟まったりします。
舌の力は大きくありませんが、ものを飲み込む動作は一日に1000回を超えると言われていますから、これは歯を動かすには十分な力となります。長い時間をかけて、舌の力によって開咬が作られて行きます。

また普段鼻ではなく口で呼吸をしていると、舌の位置が通常よりも低い場合があり、前歯に力をかける要因となることがあります。
他にも、あごの骨の形や成長が原因で生じる開咬も存在します。


開咬の問題点は、前歯を効果的に使うことができないため噛み合わせの能力が低下することや、あごの運動に不利であること等が挙げられます。
開咬の治療にはマルチブラケットなどで歯を移動させる以外に、筋機能療法(MFT)と呼ばれる筋肉のトレーニングを行い、弄舌癖をなおすことが必要となる場合があります。

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by yamawaki2527 | 2009-02-17 14:29 | 歯ならびの話