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日本舌側矯正歯科学会


3月21日、大阪リーガロイヤルNCBにて日本舌側矯正歯科学会(JLOA)の学術大会が催されました。

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舌側矯正とは、いわゆる「裏側からの矯正」のことです。「見えない矯正」とも呼ばれますが、「見えない矯正」の中には取り外し可能な透明のトレー型装置で行う簡易的な矯正治療も含まれますので、ここでは歯の裏側に固定式の器具(リンガルブラケット)をつけて行う矯正治療を指しているとお考え下さい。

舌側矯正は、表側からの矯正治療と比較すると、物性や力学の面で不利な要素がたくさんあります。そのため、表側からの矯正治療と遜色のない治療結果を得るためには、さまざまなノウハウを理解し、複雑(煩雑?)な器具の調整を行うことが必要です。

これらの欠点を克服するため、近年では裏側矯正で使用されるブラケットは、表側に使用するブラケット以上のペースで改良が進んでいます。
治療法においても、歯の痛みや歯の移動の遅さの原因を減らすための工夫や、歯のコントロール性を高めるための方法が数多く考案されてきました。

今回の学会でも、治療テクニックや新しい器具開発についての発表が盛んに行われました。
器具については、とくに近年は高効率化(トータルの治療期間・一回あたりの診療時間の短縮)を図ったものが増えてきました。
それでも表側からの治療と比べるとまだまだ複雑で手のかかる治療であることには変わりはありません。

舌側矯正の治療では、患者さんに口を開けてもらう時間が長くなるため大変ご負担をおかけしていますが、きれいな歯並びと正しいかみ合わせを作るため、とご理解いただけたら幸いです。

by yamawaki2527 | 2010-03-23 14:17 | ちょっとアカデミックな話  

リテーナーの話


今回は矯正治療終了後に使っていただくリテーナーという装置についてお話します。

ワイヤーで歯を動かして、いい咬み合わせになっても、装置をはずした後そのままにしておくと歯は元の位置に戻ろうと動き出します。
実は歯は元の位置を覚えているのです。正確には歯の移動に伴ってまわりの組織も再編成されるのですが、それには少し時間がかかります。その間歯は非常に不安定な状態です。
さらに舌や頬などの軟組織の力や咬む力が常にかかりますのでどうしても歯は動きやすくなります。

そのため固定式装置を外した日にリテーナーという取り外し式の装置をお渡ししています。

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当院では装置を外してから約1年は食事と歯ブラシ以外の間、それ以降は半日さらに就寝時と使用時間は徐々に短くなりますが、極力長い期間のご使用をお願いしています。

また、成長が続いている方や萌出スペースの足りない親知らずや舌癖のある方にはこの装置はさらに重要です。

みなさん、美しい歯並びを保ってくださいね。

by yamawaki2527 | 2009-09-22 16:40 | 矯正治療の話  

矯正装置 リンガルブラケットとは


前回お話したマルチブラケット装置は、永久歯の本格的な矯正治療では欠かすことの出来ない大変重要なものです。

c0193833_21174547.jpgマルチブラケット装置の中には、歯の裏側から付けることを前提として設計されたものがあり、これをリンガルブラケットと呼びます。

リンガルブラケットは舌側矯正で用いられます。舌側矯正は見えない矯正、裏側矯正とも呼ばれます。


c0193833_21183187.jpgリンガルブラケットの最大の利点は、歯の裏側に付けるため外からほとんど見えないということです。
歯の表側から装着するブラケットも近年非常に進化しており、以前のものと比べると本当に目立ちにくくなっていますが、リンガルブラケットはそもそも「見えない」訳ですから、この点に限ってはリンガルブラケットが圧倒的に有利です。

またリンガルブラケットの仕組みは基本的にマルチブラケット装置そのものですから、歯をコントロールする性能も十分に備えています。


一方でリンガルブラケットは表側のブラケットと比べて治療に要するコストが大きくなるという欠点があります。
リンガルブラケットを装着する「歯の裏側」はでこぼこしており、その形状も人によって異なります。そのためリンガルブラケットを使用する場合は歯の印象(いわゆる「歯型」)をとって、装置をオーダーメイドないしはカスタマイズする必要があります。

少し専門的な話になりますが、歯の表側に付ける通常のマルチブラケットと比較して、リンガルブラケットではブラケットどうしの距離が短く矯正線の機械的性能を発揮しにくいという特徴があります。このため歯を正しい場所へスムーズに移動させるためには装置に対してより多くの調整が必要となり、1回あたりの診療時間が長くなる傾向があります。

また、リンガルブラケットは舌と触れやすいため、少し喋りにくく感じられる場合があります。影響には個人差がありますが、仕事で人と話す時間が多い方は注意が必要です。

もっともリンガルブラケットは年々進化していて、以前のものと比べると舌に対する違和感も少なくなり、歯の移動もスムーズに行えるように改良されています。
今後も装置のさらなる改良と治療法の研究が期待されます。


※ちなみに、「リンガル」とは「舌の」という意味です。
「バイリンガル」も同じ語源を持ちます。

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by yamawaki2527 | 2009-04-19 21:35 | 矯正治療の話  

矯正装置 マルチブラケットとは


c0193833_1220312.jpg歯列矯正で用いる器具や装置には、多くの種類があります。
中でも一番メジャーで、永久歯(大人の歯)の歯並び治療には欠かせない装置が今回ご紹介するマルチブラケット装置(multi bracket appliance)です。

マルチブラケット装置はアメリカの矯正医Angleによって考案され、1920年代の終わりに発表されました。当時の装置名は「edgewise appliance」というものでした。

c0193833_12314335.jpgマルチブラケット装置は矯正線(アーチワイヤー)とペアで使用され、ブラケットの中央には矯正線を通すための溝(スロット:図中のA)がついています。
この溝に、弾力に富んだ金属で作った矯正線を通すと、矯正線のばね作用によって歯に力がかかり歯の移動が生じます。
矯正線はブラケットのウィングとよばれる部分(図中のB)に、金属の細い紐(結紮線、リガチャーワイヤー)やゴムのリング(エラスティックモジュール)をくくりつけることで固定します。


ブラケット単体では歯を動かす力はありません。必ず矯正線とペアで使用する必要があります。

マルチブラケット装置は歯根に力を加えることで歯根の位置を変えたり、歯を平行移動させたりすることが可能な矯正装置です。
歯を3次元的に移動させる際に最も制約を受けないものが、このマルチブラケット装置です。他の装置はマルチブラケット装置とくらべて可能な移動が限られているか、もしくはマルチブラケット装置と組み合わせて使用することが前提となります。

そのため成人矯正や永久歯が生えそろった中学生以降の方の矯正で、本格的な治療が必要な方には欠かすことの出来ない装置となります。歯並びの状態によっては乳歯列期~混合歯列期(生え変わりの時期)にも一部の歯に使用することがあります。

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by yamawaki2527 | 2009-03-19 12:39 | 矯正治療の話