ギッター・コレクション展 @京都文化博物館
2011年 09月 16日
アメリカ・ニューオリンズの眼科医カートギッターさんは、日本画の蒐集家として知られています。
そんなギッターさんの江戸絵画コレクションが、9月3日~10月16日まで京都文化博物館で展示されています。
ギッターさんは60年代のはじめに九州の米軍で医師として従事し、そのころから日本美術に興味を持つようになったそうです。
以降こつこつとコレクションを増やし、ついにはアメリカや日本で展覧会が開かれるほどになりました。
というわけで早速、京都へやって来たギッター・コレクション展を観てまいりました。
素晴らしい作品がたくさんあったのはもちろんですが、とくに興味深かったのは、厳密にはプロの画家が描いた作品ではない「禅画」や、あるいは近年になって人気が高まった伊藤若冲の作品など、日本国内ではやや見過ごされがちだった分野の作品も充実しているということでした。
おそらく、先入観を持たず興味の赴くままに作品を集めた結果、俵屋宗達から仙厓義梵までをラインナップする素晴らしい江戸絵画コレクションが作られたのだろうと思います。伊藤若冲が再評価されるようになったきっかけの1つはジョー・プライスさんのコレクションでしたが、この展覧会の作品群からも負けないぐらいの魅力が溢れています。
こちらは神坂雪佳の輪舞図(の一部)。描かれている人がそれぞれ異なるポーズをしていますね。踊る人の個性のようにも見えますし、順番に眺めていくと絵が踊り出すような不思議な感覚を味わうこともできます。
実に楽しげな表情です。見ている私たちの頬も緩みそうですね。
こちらは中原南天棒の托鉢僧行列図です。
僧侶が托鉢にやって来る様子をまるで連続写真のように描いた作品です。
僧侶の行列を描いたのだという説もあるようですが、先頭と最後尾以外は大きく端折って描かれてますので、連続写真?説を支持したいです。
それにしてもキュートな作品です。
この作品は双幅となっており、托鉢から帰っていく様子を描いた作品も展示されています。
京都文化博物館は四条高倉から北に歩いて10分少々です。
みなさんも診察の帰りに是非ご覧ください。
by yamawaki2527 | 2011-09-16 11:41 | 京都の話題