矯正装置 マルチブラケットとは


矯正装置 マルチブラケットとは_c0193833_1220312.jpg歯列矯正で用いる器具や装置には、多くの種類があります。
中でも一番メジャーで、永久歯(大人の歯)の歯並び治療には欠かせない装置が今回ご紹介するマルチブラケット装置(multi bracket appliance)です。

マルチブラケット装置はアメリカの矯正医Angleによって考案され、1920年代の終わりに発表されました。当時の装置名は「edgewise appliance」というものでした。

矯正装置 マルチブラケットとは_c0193833_12314335.jpgマルチブラケット装置は矯正線(アーチワイヤー)とペアで使用され、ブラケットの中央には矯正線を通すための溝(スロット:図中のA)がついています。
この溝に、弾力に富んだ金属で作った矯正線を通すと、矯正線のばね作用によって歯に力がかかり歯の移動が生じます。
矯正線はブラケットのウィングとよばれる部分(図中のB)に、金属の細い紐(結紮線、リガチャーワイヤー)やゴムのリング(エラスティックモジュール)をくくりつけることで固定します。


ブラケット単体では歯を動かす力はありません。必ず矯正線とペアで使用する必要があります。

マルチブラケット装置は歯根に力を加えることで歯根の位置を変えたり、歯を平行移動させたりすることが可能な矯正装置です。
歯を3次元的に移動させる際に最も制約を受けないものが、このマルチブラケット装置です。他の装置はマルチブラケット装置とくらべて可能な移動が限られているか、もしくはマルチブラケット装置と組み合わせて使用することが前提となります。

そのため成人矯正や永久歯が生えそろった中学生以降の方の矯正で、本格的な治療が必要な方には欠かすことの出来ない装置となります。歯並びの状態によっては乳歯列期~混合歯列期(生え変わりの時期)にも一部の歯に使用することがあります。

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by yamawaki2527 | 2009-03-19 12:39 | 矯正治療の話  

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